ROOM [Installation]
2024 | Installation
Overview
2024年度国立音楽大学芸術祭での展示に向けて制作されたインスタレーション作品である。コンピュータ音楽研究室有志の非公認コミュニティ「オカルト研究創造会」によって企画、制作、公開された。その後、同研究室より要請を受け、同年度冬期受験準備講習会にて再公開した。 下記は、本作のコンセプトおよび体験構造に関する概要である。 本作の物語は、外界から隔絶された一室を舞台とする。そこには温もりと不穏さが同居する空間デザインが施されており、部屋の主とされる存在は、幼少期のトラウマを契機として対人恐怖および妄想性パーソナリティ障害を抱え、自ら生み出した「イマジナリーフレンド」に依存しながら生きている。本作では、その人物における妄想と現実の境界が次第に曖昧になっていく過程を、体験者を巻き込むかたちで具現化することをテーマとしている。 体験形式は「VRモード」と「オブザーバモード」の二種類に分かれている。VRモードでは、体験者が仮想空間内の部屋を探索し、脱出の鍵を探す。その際の身体動作はリアルタイムに現実空間へと反映され、音響・映像・照明といった環境要素を変容させる。一方、ヘッドセットを装着しないオブザーバモードでは、VR体験者の存在は奇怪な動きを見せる「オブジェクト」として知覚され、その動作が展示空間全体の環境を変化させている様子を俯瞰的に捉えることになる。 この二重の視点構造を通じて、鑑賞者はVR体験者と非体験者の双方を含め、「鑑賞者でありながら作品の一部でもある」というメタレイヤーへと取り込まれていく。
Process
コアメンバーによる定例ミーティングを開き、作品プロット・方向性・インスタレーションとして発表する意義・コンセプトを多角的に議論した。芸術祭準備期間に入るまでは、作品内に配置すべきオブジェクトや演出の流れを整理し、全体構成(コンポジション)の設計に注力した。 その後、メンバー各自の専門性を生かし、以下のような担当の割り振りを行った。 ・現実空間の設計・構築 木材加工および組み立てによるブース設営 ・物理オブジェクトのインタラクション設計 振動スピーカー内蔵風船BOXなど、触覚デバイスの制作 ・音響・照明のインタラクション設計 Maxでのリアルタイム音響処理およびDMX制御 ・VRコンテンツ Unityによる仮想空間のモデリングと実装 ・音響・映像素材制作 DAWを用いたfixed‑media/環境音の作曲、After Effectsでの映像制作 ・Webアプリケーション開発 JavaScriptを用いたサブコンテンツ制作 ・鑑賞予約システム Pythonを用いた来場予約・受付管理システムの開発 展示期間中に不具合が発生した際には即時にメンテナンスを行い、また改善点が明らかになった場合には、展示終了後も更新・改修を重ねた。
Collaborators
- 小嶋瑠記/ 制作・演出
- 玉置健人/ 美術
- 田中十和子/ 広報・運営
- 光内理沙/ サポート・運営
- 枝廣和樹/ 技術
- 上田尚史/ 技術
- 印南智樹/ 技術
- 吉岡孝浩/ 映像
Role
初期構想段階でのプロット作成と演出企画に参画し、さらにサブコンテンツとなる Web アプリケーションの開発、実装、公開を行った。公開中は、メインコンテンツの要所となる部署の作業にも加わり補助を行なった。